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モバイル09' 特別企画「教育とケータイ」 [学会]

3月17日には、特別企画「教育とケータイ」があり、
大阪教育大学の田中博之氏の「教育とケータイの功罪」という演題で、
特別講演がありました。

また、ご講演の後は、下記諸先生方による話題提供と、会場の参加者を
含めたディスカッションとなりました。

・渋谷雄氏(京都工芸繊維大学)
・家本修氏(大阪経済大学)
・田中陽子氏(株式会社ディー・エヌ・エー)
・田村博氏(田村HI研究所)

※大分時間が経っているので、内容が違っている場合もありますので、
 ご容赦ください。

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田中博之氏は、子供の携帯電話の所有率が増えたことによって生じるネット上の危険、
いじめ、依存症、詐欺、誘い出しを挙げられて、法律学、社会心理学、犯罪社会学、
犯罪心理学、大脳神経学、心療内科学、情報工学、危機管理学、自己評価論、
生活設計論、論理学の学際的な教育が必要であり、この分野の専門家、研究者の
協力の必要性を話されていました。

またイギリスの取り組みとして、下記のような、行政、地域、家庭、学校の
総合的な組織的な組み合わせで子供達を守る取り組みを紹介されていました。

・Byron Review
・PIESモデル
・政府系研究機関 BECTA
・警察と教育の融合としてCEOP
・年齢層別の教材がたくさんあるAloha...のサイト
・ネット安全教育のDVD教材
・NPOの活動としてChildnet Internationalの取り組み

上記のDVD教材のムービーを、ご講演の際にご紹介されていました。
その内容は、いじめが起こり、解決していく過程が、現実的なドラマの様に
作成されており、何故事件が起きるのか、子供達が対話を通して発見し、
考えさせる内容となっていました。

また学校現場では、子供の主体的な学習の例として、イスラエルの3Dアニメーション
創作ソフトをグループで使用し、子供達にいじめの起きる様子を再現させて、
それを解決される劇を作り、自分より低学年の子供達や保護者に説明することで、
理解させる取り組みも紹介されていました。

日本とイギリスとの違いも挙げられていました。
イギリスでは、インターネットに接続可能な携帯が2,3割で、高いから買わないそうです。
中学校への携帯電話の持ち込みは、OKだそうですが、授業中の使用はかなり厳格に
禁止されているそうです。
また出会い系サイトでは、援助交際もないとのことですが、性的な被害では、
同性愛による被害が男の子の被害があるそうです。
今はいじめ対策が主に行われているとのことでした。

ご講演の最後に、子供達が実感を持って、具体的に学び、危機管理を身につけるための
ネット安全教育が必要であることを強調されていていました。
その中で、教員養成大学の取り組みも紹介されていました。
ネットワーク依存症や被害の経験のある人が教員になるのが良いそうなのですが、
教員になるまで待てないので、学生に授業案を作らせて、模擬授業を通して
教育を行われているそうです。
また下記学会のご紹介もありました。

 ネット安全モラル学会 事務局
 http://www.isams-j.org/

また今回のシンポジウムは、工学の分野の研究者が多く、どのように関わっていくか
との話の中で、安価でログを取れるモニタリング系の技術、実感のある理解できるような
疑似体験シュミレーションソフトの開発の話も出ていました。

この後、各先生方の話題提供や、会場の参加者とのディスカッションとなりました。
非携帯3原則「持たない」「持たせない」「持ち込まない」という、
小中学校への携帯電話持ち込み禁止だけではすまないこと、家庭や学校での教育が
非常に大事であることがディスカッションされていました。

この特別企画に参加してみて、講演内容やディスカッションの内容は、
無料のシンポジウムとして、一般の方々も参加できるような機会があれば、
良いだろうなあと思う内容でした。






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コメント 2

naosan

子をもつ親として、考えるところの多い内容でした。
ことのほか和を重視する日本において、皆がもってると自分ももたないといけないような気になって持ってる人も多い気がします。
携帯は今や、閉ざされた社会が詰まってる状況なので、子供に扱わせるときは親も気をつけなければなりませんね。

by naosan (2009-04-02 11:12) 

ofuku

naosanさん
コメントありがとうございました。
そうなんですよね。
本当に携帯も含めたネット接続は、子供達に危険がいっぱいなのですよね。
この講演を聞いて、大人も子供達を守るのに、常に情報収集していかないと私も思いました。


by ofuku (2009-04-08 00:45) 

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